鉱山技術の歴史を凝縮した文化遺産

佐渡金山は新潟県佐渡市(佐渡国)相川町を中心とした金・銀鉱山です。その歴史は古く、1110~1124年頃成立の説話集「今昔物語」に「佐渡の国に金が出るとあったので……(巻26「能登の素鉄とり」)」という記述があることから、少なくとも平安時代後期には、佐渡が金の産出で知られていたのではないかと見られています。また1598年、上杉景勝が豊臣秀吉に佐渡の黄金山から運上金を納めた記録も残っています。 徳川幕府設立翌年の1601年、佐渡金山は幕府の所領となり1603年には佐渡奉行所が置かれます。以来、佐渡金山は日本最大の金山として栄え幕府の重要な財源となったそうです。 幕府崩壊の後は「官営佐渡鉱山(1869年)」となり、明治政府は技術者を招いて機械化・近代化を図ります。以降、模範鉱山として日本産業の近代化に貢献しました。しかし、資源枯渇のため1989年に操業を休止し、400年近くに及ぶ長い歴史の幕を閉じました。 佐渡金山の金鉱脈は、東西3,000m、南北600m、深さ800mに広がっており、江戸から平成までの388年間に産出した金は78t、銀2,330tと言われています。江戸時代初期の最盛期には金が1年間に400kg、銀が40t以上採掘されていたそうです。また、開削された坑道の総延長は何と、約400kmにも及びます。 日本屈指の鉱山であり、江戸~明治~大正~昭和~平成と、実に5つの時代を見てきた佐渡金山は、国の史跡「佐渡金銀山遺跡」に指定されています。約400年におよぶ、鉱山技術や生産システムが歴史が評価された遺産ということで、2010年にはユネスコ世界遺産暫定リストに記載されました(現在本登録に向けて準備進行中)。

魅力的なコースで人気の佐渡金山をめぐるツアー

テーマに沿った4つのコースがあり、多くの観光客が足を運ぶ観光名所になっています。コースの特徴・内容は次の通りです。

宗太夫坑(江戸金山絵巻)コース

  • ・「宗太夫坑」は江戸初期に開発された手掘り坑道。
  • ・「佐渡金山絵巻」に描かれている採掘作業を忠実に再現した初心者向けコース。
  • ・約300mの坑道跡に順路に70体の人形を設置。中には動いたり喋ったりするものもあり、江戸時代の採掘をリアルに体感できる。

道遊坑道(明治官営鉱山)コース

  • ・1899年に開削され、佐渡金山の近代化に大きく貢献した「道遊坑道」をめぐるコース。「宗太夫坑」コースを見た後がおすすめ。
  • ・坑道奥には、平成の休山まで採掘されていた採掘跡が現存。
  • ・坑道をはじめ、トロッコ、機械工場、粗砕場など、多くの設備が操業当時の姿のままで残されている。
  • ・佐渡金山のシンボル「道遊の割戸」を存分に堪能することができる。

ガイド付 世界遺産ツアー

  • ・人気のある北沢選鉱場跡、大立竪坑など、金銀生産に関連する一連の産業遺産(採掘、破砕、選鉱、製錬、港湾)といった施設と、当時の風情が色濃く残る町並み(国指定重要文化的景観)をガイド付きで巡るコース。
  • ・見学箇所に国史跡が含まれるため、補修保全工事が行われると、ツアー行程を変更する可能性あり。

ガイド付 山師ツアー

  • ・江戸時代当時のままの坑道を巡る、学術的にも貴重なコース。
  • ・見学するのは、佐渡特産・無名異焼(佐渡金銀山より産出する酸化鉄を含む鉱物「無名異」を陶土に用いた陶器)の原料を採掘した「無名異坑」と江戸初期に開削された「大切山坑」。
  • ・400年近く前の坑道を、ヘルメット、長靴を着用し、懐中電灯を頼りにまわるため、ちょっとした探検気分が満喫できる。

訪れる際は事前に、コースの所要時間や参加対象年齢、条件などをホームページで確認しておきましょう。

1日中楽しめる、佐渡金山の観光スポット

佐渡には「トキの森公園」をはじめ、「大野亀」「外海府海岸」「尖閣湾揚島遊園(国定公園)」「大佐渡スカイライン」といった多くの観光地が点在しています。そのひとつである「佐渡金山」周辺には、かつて鉱山関係者の住居や多くの商店が軒を並べた「京町通り」、金山と佐渡奉行所関連、相川遊女の道具類、美術品、民俗資料などの資料を収蔵する「相川郷土博物館」などがあります。 また、「史跡 佐渡金山」から徒歩5分にある「金山茶屋」では「道遊の割戸」をイメージした金粉入りの「金山カレー」、金粉入り岩のり付きの「金山そば」ほか、金山に因んだメニューが用意されておりますので、金山見学の後、足を運ばれてみてはいかがでしょうか。