地質構造上の特異地帯「フォッサマグナ」とは?

「フォッサマグナ」とは、日本の中央部を南北に走る地質構造上重要かつ特異な断裂地帯です。西縁は糸魚川市から南へ向かい、姫川〜松本盆地〜塩尻市〜韮崎市を経由して静岡市付近に達する「糸魚川~静岡構造線」で、東縁は関東山地西縁部を通ると考えられていますが、はっきりとは分かっていません。

「糸魚川~静岡構造線」は、西側に中・古生層、変成岩や花崗岩などが、東側にはグリーンタフ(新第三紀中新世前期・中期の火山活動で形成された火山岩や火山灰、火砕岩、火砕礫などが変質してできた「緑色凝灰岩」)を含む新第三系が広く分布しているのが特徴となっています。

「フォッサマグナ」は「大きな裂け目」という意味で、明治時代、日本の地質調査をしたドイツ人地質学者、ハインリッヒ・エドムント・ナウマン(Heinrich Edmund Naumann /1854~1927年)博士によって名付けられました。

ナウマン博士は、お雇い外国人(明治政府や民間会社・学校などが、欧州やアメリカの先進文化を学ぶため、様々な分野の外国人指導者・教師を雇用したこと)として明治政府に招へいされ、東京大学地質学教室の初代教授となりました。日本列島の地質調査を行ったことに加え、横須賀で発見された象の化石を研究していたことにちなみ、野尻湖の湖底発掘で有名な象の化石が「ナウマンゾウ」と命名されたことでも知られています。

ユネスコ基準に基づいて認定された石の博物館

「糸魚川~静岡構造線」の北端である糸魚川市には、先述のフォッサマグナや糸魚川市を代表する鉱物「ヒスイ」を中心に、様々な資料を収蔵した石の博物館「フォッサマグナミュージアム」があります。開館は1994年4月で、2015年3月にリニューアルオープンしました。 リニューアルに際し、展示内容が全面的に見直されたそうで、常設展示室を6つのエリアに分け、2016年、日本鉱物科学会総会(於:金沢大学)で「国石」に選出された糸魚川の「ヒスイ」や大地の裂け目「フォッサマグナ」をポイントに、地球が育んできた自然環境や資源について、また地震や火山、地すべりなどの自然災害について学習できる内容となっています。

〇常設展示

    • ヒスイ峡

7トンの巨大ヒスイほか、小滝川や青海川で採取されたヒスイを紹介

    • 第1展示室「魅惑のヒスイ」

糸魚川の川や海で発見された美しいヒスイ原石を展示

    • 第2展示室「糸魚川大陸時代」

ヒスイの歴史や化学をはじめ、古生代の変成岩や石灰岩を紹介、4.6トンの小滝川産ヒスイ展示も見どころ

    • 第3展示室「誕生 日本列島」

日本誕生時にできた大地の裂け目「フォッサマグナ」を含め、地球の歴史、日本形成の様子を200インチの壁・床一体型の巨大スクリーンといった最新技術を用いて紹介

    • 第4展示室「変わりゆく大地」

地震や火山、栂海新道(つがみしんどう)、マイコミ平などの展示、糸魚川の大地のめぐみを紹介、「くるくる回るミュージアム検定」にもチャレンジできる

    • 第5展示室「魅惑の化石」

時代別に国内外の多種多様な化石が展示。日本の名前がついた奇妙な形のアンモナイト「ニッポニテス」はおすすめ

    • 第6展示室「魅惑の鉱物」

日本国内・世界から集められた鉱物、鉱石、隕石、岩石を展示・紹介、新潟県の鉱物、日本の新鉱物のコーナーもある

常設展示をメインに、館内には市内にあるジオサイトの詳細情報、国内外のジオパークの最新情報を知ることができる「ジオパーク情報コーナー(2009年、糸魚川はユネスコが支援する日本初の世界ジオパークに認定)」や、その隣には「休憩コーナー」があります。

見学コースの最後にはミュージアムショップがあり、オリジナル書籍、糸魚川産のヒスイアクセサリー、糸魚川のお菓子、恐竜模型、ハンマー、ルーペなど、石に関係する様々な商品も扱っています。

見つけた化石はもしかして!? 石の無料鑑定サービスもあり

「フォッサマグナミュージアム」には、実際の発掘が体験できる「化石の谷」もあり、約3億年前の「サンゴ」や「コケムシ」などの化石を採集できます。こちらは屋外有料化石採集体験場で、対象は小学生以上。料金は1人300円(2時間まで。ハンマー、ゴーグル、軍手の貸出を含む)。現在は新型コロナウイルス感染症拡大防止に配慮したかたちでのサービス運営をしていますが、採集した化石は持ち帰ることもできるそう。過去には「日本最古級のサメの歯の化石」をはじめ、謎の甲殻類「サイクラスの化石」なども発見されていますので、思わぬ掘り出し物があるかもしれませんよ!なお、例年、冬期間は閉鎖していますのでご注意ください。

また、無料で「石の鑑定」サービスも受けられます。「長さが15cm以上のもの(手のひらサイズ以上)」「ぬれた石、汚れている石」「販売目的の石」以外は鑑定可能で、鑑定個数は1人5個(化石の谷で採集した石は1人3個)まで。サービスは、1人一日2回まで受けられます。コロナウイルス感染症の影響により、残念ながら現在は休止中ですが、子どもたちにとっては特にワクワクできるサービスなのではないでしょうか。一日も早くサービスが再開されることを願ってやみません。

その他、感染症の拡大状況によって開館状況が随時変更となる可能性もありますので、詳細はミュージアムのホームページをご参照ください。