水の郷百選に選ばれた水どころ、津南町

新潟県南部、中魚沼郡に位置する津南町は、国内有数の豪雪地帯。
厳しい冬がある一方で、多くの湧き水が出るため名水の地としても有名で、国土交通省が認定する「水の郷百選」の一つにも指定されています。

津南の水は飲みやすい軟水で、地元だけでなく全国から美味しいと評判を得ています。コンビニエンスストアのドリンクコーナーで、ペットボトル入りの津南の水をご覧になったことがある方もいるのでは?そんな津南の水の中でも、特に津南町谷内にある竜ヶ窪の水は、決して濁らない天然水として地元の人々を中心に愛され続けています。

津南の人々は何故竜ヶ窪の水を愛するのか、何故水が濁らないのか。
その秘密は、ある一匹の竜の伝説にあります。

竜ヶ窪の池と竜の伝説

竜ヶ窪には、地名の由来ともなった以下のような竜の伝説があります。

『昔、越後の国のはずれにあった芦ヶ崎という村で、人々が日照りのために食糧も水もない苦しい生活をしていました。
このままでは皆死んでしまうと、ある青年が、山へ食糧を探しに行くと、昼寝をしている竜と卵を見つけたため、彼は村へ卵を持ち帰りました。
しかしそれが寝ていた母竜に見つかり、竜は激怒。村人を食い殺そうとしましたが、「どうか、子どもたちだけは助けてほしい」という村人たちの願いに心を打たれ、村人たちのために池を作りました。
そして竜は、「この池は、お前たちの美しい心の象徴だ。しかし、人の心の曇るとき、この池は涸れてしまうであろう」と村人たちに言い残し消えていきました。』

竜の力と人々のおかげか、竜ヶ窪には現在も枯れることなく清らかな水が流れ続けています。
また、誰でも自由に水を汲むことができる水汲み場には地元の人をはじめ現在も多くの人々が訪れ、貴重な生活用水を汲んで帰って行きます。

竜ヶ窪の天然水を利用した温泉や豆腐も

そんな竜ヶ窪の清く美しい水は、飲むだけでなく、様々な用途に利用されています。

「竜ヶ窪温泉 竜神の館」は、名前の通り竜ヶ窪の水を利用した温泉。竜をイメージした露天風呂等もあり、伝説の竜に感謝しながら疲れを癒すことができます。

また、地元のお母さんが心を込めて作る「名水豆腐」というものもあり、こちらは竜ヶ窪の水と国産大豆を使って作られています。

参考:竜ヶ窪温泉 竜神の館

津南町の人々は、今も竜神への恩を忘れず、竜神の恵みである水を大切に利用しています。
そして、そんな人々の心に応えるかのように、竜ヶ窪には今日も濁らない水が流れています。