最長連載の少女漫画

魔夜峰央氏の描く『パタリロ!』は、1978年から現在まで連載が続く、最長連載の少女漫画です。 同作を描くのは、新潟県出身の魔夜峰央氏。現在は「にいがたマンガ大賞」の最終審査員も務め、隠れた才能の発掘を手がけています。

少女漫画×ギャグ(コメディー)という組み合わせで言うと、有名どころとして『ちびまる子ちゃん』などが挙げられます。ところが、同作の連載期間は意外と短く、少女マンガ雑誌「りぼん」での連載期間は10年ほど。その一方で、『パタリロ!』は関連作品も含め100巻以上が出版され、40年近くに及ぶ長期連載化されています。

わずかに連載開始の早かった『あさりちゃん』が2014年に連載終了したことから、現在では少女漫画の最長連載に躍り出ました。 この作品にはどのような魅力があるのでしょうか。

自由すぎる少年国王と、柔軟な舞台設定

タイトルにもなっている「パタリロ」とは主人公の名前で、正式には「パタリロ・ド・マリネール8世」と言います。10歳という幼さですが、ダイヤモンド採掘を主産業とするマリネラ王国(架空の国家)の国王です。 『007』シリーズにも登場する英国の諜報機関「MI6」のバンコラン少佐や、その恋人である元殺し屋のマライヒといった人物が脇を固めます。 パタリロの命を狙う組織が蠢くなか、自由奔放なパタリロが思いがけないトラブルを起こすことでストーリーが進行します。

他人をおちょくるのが何より好きなパタリロは、自らの命が危ないシーンでもユーモアを欠かしません。 パタリロのキャラクターがあまりにも汎用的であるため、エピソードによってはこの舞台設定を全く無視することもあります。パタリロを中心に据えたまま、江戸時代の日本を舞台とした時代劇を展開したり、西遊記に登場する「孫悟空」に成り代わったり。舞台設定にまったく囚われない自由さも、エピソード不足に陥ることなく長期連載化できた理由の一つと言われています。

ちなみに魔夜峰央氏は、いま書店の一角にコーナーが設けられる程の人気を誇る「BL」(ボーイズラブ)文化の先駆けとも言われており、それが同作の人気を支える一つの要因なのだそうです。