佐渡観光の穴場「北沢浮遊選鉱場跡」とは

佐渡島の名所といえば「佐渡金山」というイメージが思い浮かびますが、知る人ぞ知る人気スポットがあります。それが相川の北沢地区にある産業遺跡「北沢浮遊選鉱場跡」で、段丘と広い敷地内には、スタジオジブリの有名なアニメ『天空の城ラピュタ』を彷彿とさせる巨大建造物が点在しています。以前は3基あったという古代ローマの遺跡を思わせる直径約50mの円形建物に、蔦のからまるコンクリート建造物などは、隆盛を極めた在りし日の佐渡金銀山の記憶をとどめています。

新潟県佐渡市相川町を中心とした佐渡金・銀鉱山の歴史は古く、1110~1124年頃成立の説話集「今昔物語」に記述が残っていることから、平安時代後期には金銀の産出があったのではと考えられています。1601年には徳川幕府の所領となり、その後の財政を支えました。

幕府崩壊後の1869年には「官営佐渡鉱山」となり機械化・近代化が推進されます。以降、日本産業の発展に貢献しますが、1896年、三菱合資会社に払い下げられ、その後、三菱鉱業株式会社(現・三菱マテリアル)が経営。1989年に閉山するまでの約400年間、日本最大の金銀山として栄え金78トン・銀2,330トンを産出しました。

北沢浮遊選鉱場は、金の生産量を増やすために建設された施設で、1938年に完成しました。浮遊選鉱場というのは、砕いた鉱石を水と油を混ぜた溶液に入れ、有用鉱物と不用鉱物とに分離する浮遊選鉱作業を行う施設のことで、もともとは銅の製造過程で採用されていました。この技術を日本で初めて金銀に応用、実用化に成功した北沢浮遊選鉱場は、1ヶ月で50,000トンを超える鉱石を処理できたため「東洋一の規模」と評されたそうです。

1940年には、佐渡金銀山の金年間最大産出量(1537㎏)を記録した北沢浮遊選鉱場、直径50mの巨大なシックナー (選鉱後に生じた「泥鉱(泥状の鉱石)」を、鉱物と水とに分離・濃縮する施設)、明治期の北沢火力発電所発電機室棟ほか、鉱山近代化の歴史を残す遺跡群が一般公開され、多くの観光客が足を運んでいます。

さらに幻想的な夜間のライトアップ

SFやファンタジーの舞台に迷い込んだような錯覚を起こさせる北沢浮遊選鉱場は、夜間になると別の顔を見せてくれます。というのも、毎年4~10月の間はライトアップが行われ、赤や青、ピンク、緑などさまざまな光の中に、選鉱場が幻想的に浮かび上がります。また、限定的にプロジェクションマッピングを開催することがあり、ライトアップとは異なる空想的世界を現出させると評判です。

澄んだ夜空と満天の星、虫の声しか聴こえない静寂、そして光がコラボレーションする浮遊選鉱場跡の姿は、息をのむような美しさです。特に夜景や廃墟散策が好きな方、写真愛好家にはたまらないスポットですので、佐渡島に行ったときは、昼と夜の姿を両方楽しむのがおすすめです。

「世界文化遺産登録」に向けて活動中

新潟県と佐渡市では北沢浮遊選鉱場を含む佐渡金銀山に関して、「金を中心とする佐渡鉱山の遺産群」として世界文化遺産に登録されるための活動を行っています。佐渡金山遺跡は、江戸から平成まで稼働した日本屈指の鉱山であり、約400年におよぶ鉱山技術、国によって運営された金銀生産体系の変遷を知ることのできる世界的にも希少な歴史的建造物です。その遺跡を人類共通の財産として未来に伝えてほしいものです。

新潟県には、北沢浮遊選鉱場のように、まだ知れ渡っていない名所が数多くあります。暮らすことによって、初めて実感する魅力も少なくないでしょう。にいがた就職応援団CAREERではこれからも新潟へのU・Iターン転職・転職後の生活を中心に、役立つ情報を提供していきます。